福島県キリスト教連絡会との共催で、2012年10月22日~27日、ウクライナ・チェルノブイリを訪問しました。
2012年10月22日~27日、ウクライナのチェルノブイリを訪問し、「福島未来会議3」を開催しました。
現地活動家達との交わり
これまで14,000人に内部被ばくを避ける生活指導などを行ってきた、3人の女性とお話しする時を持ちました。
●小児科医のローラさん。
事故後、甲状腺肥大・のう胞は多くみられたが、癌化したケースは比較的少数だった。
●放射線の影響を調査してきたルーヴァさん。
ねずみなど動物の再生産活動が活発化した。
●子供クリニックで、白血病患者に関わってきたスヴェータさん。
内部被ばくを避けるための食事の注意点として指導してきたこと
- 植物の種は、放射性物質を吸収・凝縮するため避ける。
- 皮はむく。
- 高線量地区のきのこは避ける。
- 高線量地区の草を食べた牛の乳や鶏卵は避ける。
- 魚は放射性物質が骨に凝縮するため、魚ベースのスープや魚頭を避ける。(魚肉は問題ない)
- 高線量地区の森を水源とした水道水は避ける。
現地の方々の証
♦ナターシャさん
事故当時15歳(現在41歳)無神論者だったナターシャさんですが、チェルノブイリ原発事故を通して、生きて働いておられる神様がいることを悟ったと証言。
「私は、父親が原発職員だったため、5万人が居住する原発から2キロ圏のプリピャチ市(旧ソ連が誇る理想都市)に住んでいました。原発が爆発した直後、大量の放射性物質を含む爆風が襲って来るということで私たちも急いで避難しました。
この爆風が直撃した森は数日以内に完全に枯れ果て、そこは現在、「赤い森」と呼ばれています。後日、報道で知ったことですが、不思議なことに私たちの街を直撃する筈だった爆風が、街を避けるように手前で二手に分かれたというのです。直撃を受けていたらこの街の住民は全滅だったというのです。
私は自分たちが助かったことに何か不思議な力が背後で働いたのだと感じました。これも後で知ったことですが、私たちの街に当時のソ連では許されていないキリストを信じる人々が密かに集っていた「地下教会」があり、あの爆発当時「お祈り会」を開いていたというのです。私はこの人々が信じている「神さま」がこの不思議を行ってくださったと確信しました。当時聖書を手に入れることも困難でしたが、やがて私もこの神を知るようになり、洗礼も受けました。あの事故がなかったら私はこのお方に出会うことがなかったことでしょう。
今は創造主であるお方を信じ、絶望の街への神の希望の計画を、心の目で見て信じています。
♦アナスターシャさん、カテリーナさん
キエフの街を案内してくださったのは、事故後2年目に誕生したアナスターシャさん(24歳)と妹のカテリーナさんです。アナスターシャさんは現在、パートタイムでスクールカウンセラーとして働いています。
日本の被災者の方々を祝福したいと自分の給料の約半年分を福島のために献金してくださいました。同じ原発事故を経験した福島の人々に心を寄せ、支えたいと願っておられます。
ちなみにこのおふたりは事故による健康被害は現在も皆無だそうです。
問われていること
今回キエフで私たちを迎えてくださったのは、福島未来会議2で来日してくださったボリス・グリシェンコ氏です。チェルノブイリ事故で被ばくし、重篤な被害を体に受けながらも、恐れと不安を拒絶し、病気を乗り切った方です。今では、現地の方々の心のケアや、白血病患者のこどもたちをサポートする働きをしています。
私たち一人ひとりに問われていることは、放射能に対して、恐れや不安を持ち続けながら生きていくのか、それとも恐れを拒絶して希望に生きるかの選択です。恐れや不安を取り込み続けると放射能以上に体に悪い影響を及ぼすことが実証されています。
わたしがあなたがたのために立てている計画
~それはわざわいではなくて、平安を与える計画であり、あなたがたに将来と希望を与えるためのものだ。~
(旧約聖書エレミや書29章11節で神が語っておられること)
将来と希望を与えてくださる方を信頼して、目に見えない希望を心の目で見て確信して生きていけるかどうかが、今、私たちに問われているのではないでしょうか。