FVIとの協力関係の中で、海外パートナー団体が行っているプロジェクトをご紹介します。
2013年5月 活動報告
新しい段階へ -普通の人々同士で教え合い、励まし合う-
この2年半ほど、カースト差別を人々の暮らしの中から撤廃していこうという願いを持ったラムスラットさんたちが、中心になって、その課題と撤廃のためにすべきことを人々に教えてきた。
今、それまで教えられてきた人々が、自分たちでお互いに教えあい、気づきあい、励ましあう時期になってきた。自分が本当に理解するようになるのは、人に教えるようになったときだと言われる。自らの尊厳回復の大切さは、外の人から手ほどきを受け続けるものではない。自分たちが、この制度や歴史、人をどう見てきたかを理解し、尊厳をもった人として自分も他人もみる見方を身につけ、それを自分の言葉で人に伝える。尊い存在として造られていることを人に伝える。人に関わる新鮮な喜びを人々は見出し始めている。
「女の子と女性を大切にする家族」野外ドラマ上演
「尊厳回復」に取り組むリーダー達は、女の子と女性を大切にするドラマを先日、村で上演した(写真)。この野外ドラマを見に訪れた村会議員たちからは、「こういうドラマが上演されたおかげで、今まで女性に対して誤った考えで接していたことに村人たちが気づいてくれると思う。」と高い賛辞の声が聞かれた。このドラマをみた村人たちは「今まで、ひどい扱いを受けている女性のことをきくと、それがその人の運命なのだと思っていた。けれど、家族が女性への態度を変えればいいんだってことが、このドラマで始めてわかったよ。」と感想を述べていた。村人たちが、女性を尊重するように変わっていく一つのきっかけを、リーダー達が苦心をして上演までもっていったドラマがもたらしてくれた。
リーダーのキショルさんは、インドの村人が、大好きなドラマを通して大切なことを学んでくれるという手ごたえをつかんだのだった。
大切なのは人間をどう見るかで、地域のリーダー達が目を向ける地域向上の内容は変わるのだ。このため、この研修会では人間を包括的に見る、人間には成長すべき様々な側面があることに目を向け、具体的な実践を考える会とした。26人の地域リーダー達が2日間の研修会に参加した。
参加者全員にとって、このような見方で、人を捉え地域向上を考えるのは始めてだった。新しいチャレンジを感じると同時に、一面に偏らずに良くなっていくという可能性を感じたと、ある参加者は語った。