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001 南アジア インド・オリッサ州

人と社会のトータルな変革プログラム 経済躍進のインド。最貧国郡で人が生かされるために奮闘するナヤクさんたちの働きをご紹介します。

2013年7月-12月 活動報告・2014年予定

貧富の格差が世界で最も深刻なインドの最底辺州、オディシャ州(旧オリッサ州)

2013年9月半ば、インドの新聞に国内都市部の貧富の格差がイラストつきで記事になりました。(右上の写真)

収入でみると富裕層10%と貧困層10%の間では10倍以上の開きになったと警鐘を鳴らしていました。インドでは劇的な経済発展の陰で、このような格差が急激に広がっています。

2013年9月末に発表されたインド各州の開発総合指数では、インド全28州のうち、オディシャ州(旧オリッサ州)が最下位に位置づけられました。このオディシャ州の3つの最貧困郡のひとつが、私たちのパートナー、エベネゼルが活動するカラハンディ郡です。私たち「声なき者の友」の輪は、開発指標ではインドの最底辺に位置づけられ、人々が呻いている地に導かれていたのです。

2013年10月の訪問

2011年2月以来2年半ぶりに、国際協力担当としてオディシャ州の山奥の村を訪問しました。2日間の滞在の間、想像していた以上の大きな変化に出会いました。
2012年初めに学習支援教室が始まったのをきっかけに、今まで動こうとしなかった行政が腰を挙げ、農業トレーニングが始められました。
2013年9月、学習支援教室の周りの畑も区画整理され、豊かな実を結んでいました。

昨年2012年10月にひとりの若者が、地域の40村を統括する地域連合の首長選に出馬する決意をしました。
2011年に、これからの人生をどのように歩むかについて大きな決断をした彼は、地域の人々のための働きたいという思いが与えられたそうです。選挙で当選を果たし、今、腐敗にまみれた政治、行政の世界で「誠実」という原則で統治する難事と、28才の若手ながら格闘しています。

今年の4月には、女性自助グループで研修を受けてきた村の女性が、村初めての店を出していました。

父親たちも子どもを教室まで送り迎えするようになり、村では子どもたちが生き生きとしてきました。

わずかの間に、それまで変化を諦めていた人々の思いやこの山奥の村にまで関わろうとしなかった関係組織の姿勢が、大きく変わってきたことを感じました。

始まりは街に暮らす女性、ナヤクさんの小さな一歩。

10年以上前に、山奥の村のあまりの貧しさに心を痛めてきた町に暮らすナヤクさん(写真の女性)に勇気が与えられて、彼女が村を訪れたのが始まりです。その小さな一歩が実を結び始めたことを感じました。ナヤクさんとの出会いから、日本の私たちも関わりが始まりました。

「人と社会の変革」は、小さな種まきのような行動から始まり、ひとと大地が「いのち」がみなぎるように整えられていくことです。

私たちは自分の小さな頭であれこれ計画し、そのとおりにならないとしばしばがっかりするものですが、「すべてを知って人と地球と宇宙すべての最善を導かれる方が統治されている」と考えると、私の小さな計画をはるかに越えて、様々な人々、グループの思いが整えられ、時にかなって用いられ、人と社会と自然が最高に生かされるように事柄が動かされることを実感しています。

2014年の予定

訪問中に2014年の計画を話し合いました。
引き続き、エベネゼルは学習支援教室と女性自助グループ、また、村人たちの教育委員会が学習支援教室を管理する活動を支えるとのことでした。このための年間必要種資金【45~55万円:インドの物価上昇率に連動】を応援します。 募金方法

この地区では乾期の3か月間、ポンプ井戸の地下水位が下がり、村での飲料水確保が難しいことが長年の村の一つの課題でした。2014年には、湧き水の水質を保ち、そこから村へ水を引く飲料水タンク建設のための資金5万円も日本から協力する予定です。