• カースト制度って何ですか?


「カースト」という言葉を聞いたことがあるのですね?

「カースト」は日本語にすると一番近いことばは「身分制度」でしょうか。小学校高学年になると日本の歴史がありますね。今から400年くらい前に始まって150年前に終わった江戸時代の日本にも「身分制度」がありました。仕事によって、身分が分けられました。武士の人、農民、モノつくりの人、商売をする人という順番で「士農工商」と言われました。それ以下という身分も作られ、「汚い」と考えられた仕事をしていました。自分で選んだ身分ではないのに差別されて、つらい思いをしていた人がたくさんいるのです。

「カースト制度」は、インドという国で江戸時代よりずっと長く、3千年以上続いている「身分制度」です。やはり、仕事で「カースト」が分けられます。インドでは3千以上もの「カースト」があると言われます。日本の江戸時代と同じように、生まれた家のカーストを子どもは受け継ぎます。親のカーストが子どものカーストになると決められているので、「カースト」を自分で選ぶことはできません。

「身分制度」では、人を上と下に分け、上の人が下の人に命令するのは当たり前。馬鹿にされ、殴られても下の「カースト」の人は何も言えない、「一人一人の大切さ」が違うことを当たり前にしている制度です。インドにも、江戸時代のようにつらい差別を受けてきた人がいます。それが代々、おじいちゃん・おばあちゃん、そのお父さん・お母さん、そのまた、おじいちゃん・おばあちゃん、とずっと続いてきました。

今は、勉強をして都会に出て、親とは違う仕事につく人もいます。でも、名前や出身の地域からカーストが判ってしまうそうです。

インドは1947年に独立して、国の憲法があります。その憲法には、「すべての人は平等」としっかり書かれています。

でも、人々は簡単には変われないのです。私たちは周りの人たちが、いつも当たり前のようにやっていることを、慣習として何も考えないで受け入れてしまいます。これが、良くも悪くも「文化」です。つらい人たちを作ってしまう文化は悲しいですね。日本でも、なぜ、「いじめ」がなかなかなくならないかということと、同じなのかもしれません。

「カースト制度」を知ることは、どこの国の人でも、私たちの心の奥深くにある「人を下にして、自分が特別になりたい」という心の暗闇を知ることにつながるかもしれません。自分の中にある暗闇を知り、自分を見つめ、日本でも世界でも、人のうちには暗闇も光の部分もあることを理解して、そういう多くの人たちと一緒に、どういう社会を築いたらみんなが幸せになれるのか、また、そのために、これから自分がどのように生きていったら良いか、考えて行動するきっかけになるといいですね。

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