アジアの人たちの生活は、20年前と今とでどこが一番変わりましたか?

20年前の2000年は、20世紀最後の年でした。21世紀が始まってもう20年が経ちますね!

違いを知る基本のやり方は、それぞれのグループの性質を数字で表して比べる「統計」というものによります。統計で、それぞれのグループ全体のおおよそのことを知ることができます。それと当時に、現場を経験して知る「百聞は一見にしかず」も本当です。現場に行くと、数字で表わされていることが「わたしの感覚」で分かり、自分のことばで説明できるようになります。

わたしは、30年前からアジアにある約50か国のうち、内戦や紛争は終わっていたけれど、まだとても貧しかった15か国に住んだり、訪問したりしてきました。そういう国々で「一番、変わったなあ」と思えることを伝えますね。

一番変わったことは、20年以上前、とても貧しく、とても不便だったアジアの国々や田舎で、「みんなが1日3回、十分に食べられるようになったこと」です。これは、本当にうれしいことです。私が今から30年前、バングラデシュに行ったとき、多くの人が一日3回のご飯を食べることができませんでした。みんなのような小学生の子どもたちも、お米のご飯と青トウガラシを塩で混ぜて食べているのを見て、胸がいっぱいになったことを思い出します。

数年前、農村に行き、集まっていたおばさんたちに「この村でご飯が十分に食べられない人いるかなあ」とききました。すると、みんなニコニコしながら「大丈夫。貧しくても、ご飯とおかずはちゃんと食べられるよ。この村には飢えている人はいないよ!」と答えてくれました。とてもうれしい瞬間でした。

同じくらい変わったことがもう一つあります。内戦や紛争がない国なら、ほとんどの国で、子どもたちが中学校くらいまで通い、自分たちの文字で読んだり書いたりできるようになったことです。

25年前、私がバングラデシュで出会ったお母さんたちの中に何人も「わたしは、自分の名前を書けないんです。」と淋しそうに話した人がいました。今、子どもたちはもちろん、30才以下の人には、読み書きができない人はほとんどいません。これもうれしいことです。

自分の文字を読んで書けること。これは当たり前だと思っていますけれど、文字を通して、新しいことを知ったり、自分のことを伝えたりすることができるのは、一人一人が大切にされているということなのです。「人の尊厳」で欠かせないものの一つです。

皆さんも、文字を通して新しいことを知り、自分の考えを伝えるすばらしさを経験し続けてくださいね。そして、どこの国の人の文字でも、彼らが読み書きする権利を大切にする人になってくださいね。

Tags:

Comments are closed