みどりさんはなぜ、海外で支援活動をしようと思ったのですか?

「海外での支援活動」ってどんなことかな?

 私は今から30年以上前、当時、最も貧しい国の一つだったバングラデシュに住んで、現地に事務所がある国際団体で活動を始めました。1980年代から90年代には、世界でご飯を一日一回しか食べられない人の割合が、今よりはるかに多かったのです。「北」の先進国では多くの人が豊かになったけれど、「南」の発展途上国では、ほとんどの人がとても貧しかったのです。私が出かけた1990年当時のバングラデシュでは、国の80%以上の人は食料があっても買うことができないために、青トウガラシに塩を載せるだけのご飯を一日1~2回食べる日々を過ごしていました。その人たちが自分たちの手で働いて食料を手にし、生活を向上することができるように支援活動を行ったのです。

2020年代になった今も、世界には貧しい人々がたくさんいます。けれども、紛争地域や気候変動で不作になってしまう地域以外、食料を手にできないという人はとても少なくなりました。バングラデシュでも、この30年間でいろいろな仕事が増え、農業も灌漑や機械化が進み、村の人に聞いても「飢えている人なんて、聞かないねえ。」という答えが返ってくるようになりました。

ですから、今の時代に海外で貧しい人たちのために支援活動をしたいなあと思う場合、その活動は30年前とは違うものです。現地で教育を受けた人がたくさんいますから、外国人が中心になって現地の人たちになじみがない解決策や必要以上のお金を持ち込むのでなく、現地の人たちがより良い解決策を見出せるように、そばで励まし、一緒にいろいろな仕事を作り出すような役割に移っています。

さて、私が「海外で支援活動」に関わりたいと思ったきっかけは、二つあります。一つは、「自分の周りの人たちや自分の国を越えた世界は、どうなっているのだろう。」と考えていたとき、大学の授業で他の国の人たちの健康状態を知ったことです。当時、途上国と言われた国々では、小さな子どもたちが日本では考えられないような病気で死んでしまうことを知って驚きました。からし君は、インターネットでいろいろなことを調べられますね。ですから、「自分の周りの人たちや他の国の人たちって、どうしているのかなあ。」と考えて、時々、調べてみるといいですね。自分が関わりたいなと思うことに出会えるかもしれません。

もう一つは、楽ではないかもしれないけれど、困難の中にいる人たちに関わる意味を見出したからです。私は自分のためだけに生きているわけじゃない。私も大切な一人の人として命を与えられたように、からし君にも、他の国の全ての人々にも命を与えて下さり、心から大切にしてくださる神様がおられる。そういう理解が深まって海外での支援活動をすることを選びました。

からし君は、世界の人たちとどんな風につながっていくのかな。楽しみです!

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